ついに目撃さる

昨夜、未明(正確に言えば、深夜2:12ころ)私はいつものように家の前の畑で、深夜パトロールを始めた。物音がしたため、懐中電灯で周りを照らすと、胡瓜の棚の後ろから何者かが動きだし、私の方に向かってきた。

 

  <注>以前より、家の前の畑で何らかの獣とおぼしき足跡が頻繁に現れていた。私は持ち前の責任感

    (妻に言わせると、単なる好奇心)と、狩猟本能より、その所在を明らかにし、スキあらば退治し

     ようと、竹槍を片手に、深夜パトロールをやっていた。夜中に目が覚めた時だけであるが

 

最初「猫かな?」と思ったものの、目は光っていない。しかも、なんと、懐中電灯を照らしているにも関わらず、私のほうにゆっくり歩いてくるではないか。私は一瞬後ずさりするも「いかん、武器がない」。

 深夜パトロールを初めたころは、左手に懐中電灯、右手に竹槍、そしてパジャマに長靴という恰好であった。

(恐らく、目撃されると、警察に通報されるか、石を投げられるだろう)

最近、この深夜パトロールもマンネリ化し、武器を持たずに懐中電灯だけで出るようになっていた。私は、ゆっくり懐中電灯で周囲を照らし、畑のそばの竹を見つけた。そして、その竹を手にした瞬間、その未確認飛行物体じゃなく、未確認歩行動物(獣)はすーっと暗闇に消えた。「しまった。逃がしたか」。だが、私は諦めなかった。きょろきょろと、周囲を見渡すとと、なんと、今度は道路上をゆっくり歩いてくるではないか。私は冷静に何者か確かめようと、しっかり懐中電灯で相手を照らした。顔に白っぽい筋が入っていた。

 私は、昨年夏の狩猟試験を思い出していた。写真を見て狩猟動物の名前を当てる試験だ。私が答えに困っていると、試験官が「手を洗ったりする」「熊のような爪のある」と、ひとりごとのように、つぶやいた。「あ、アライグマ」私はすかさず答えた。やさしい試験官であった。

 そう、あの試験問題に出た「アライグマ」のようであった。確か、するどい爪を持っているはずだ。「竹ではだめだ」「もっとちゃんとした武器がいる」と思い直し、私は後ずさりしながら小屋に行き。立てかけてあった4本爪のフォークを手にし、再び道路上で対峙しようとした。手にしたフォークの鋭い爪が見えたのか、その獣はス、スーと車庫の方に隠れた。私は追いかけたが、猫のようにすばやく暗闇に消えてしまった。 

 

田舎で生きるとは、自然に対峙するということでもある。山や川で遊びほうけていた少年の心がよみがえってくるようだ。

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