”朝飯前”と言えば時間もなく、また力のいらない”簡単な作業”をさす。東京で暮らしている時はそう思っていた。しかし、田舎暮らし・農業をやるようになった今、”朝飯前”の仕事が多くなった。
当然だが夏は暑い、特に今年の夏はひときわ”熱”い。昼間の農作業はとてもじゃないができない。できないどころか、下手をすると死に直結する。したがって、草刈など農作業はもっぱら、早朝か夕方とある。
夏は太陽が元気だ。太陽が元気だと光合成・同化作用が活発になり植物が元気になる。草も植物であり、田畑は草だらけになるという理屈だ。一度草刈りしても1週間もたてば一面草だらけ、1か月もほおっておくおくと歩けないくらいになる。したがって2週間に一度は草刈りをする必要が出てくる。毎日少しづつ草刈りすると、1クルーが10日くらいは平気でかかる。さらに、家の周りの草むしりもある。そうだ、一回りしたかな、と一息つく暇もなく、最初の場所の草刈りが始まるのだ。草刈りに始まり草刈りに終わる。これが百姓の姿である。
田舎暮らしにとって、”朝飯前”とは、暑さを避け、限られた時間にする仕事を指すのだ。