干し柿

 渋柿の皮をむいて天日に干すと”干し柿”になる。渋みが抜けて、あまーい味に化けるのだ。我が家にも柿の木が何本かあり、その中に渋柿が1本だけある。今年は柿のなる年(当たり年)のようで、甘柿も渋柿も大豊作である。

 

 私は子供の時から柿を向くのが得意であった。なぜなら母に「自分で食べるしこ(だけ)自分でむくように」と言われたからだ。私は6人兄弟の5番目で育った。子供が6人もいると生存競争は熾烈である。ぼやぼやしている食べるものがなくなる。それが干し柿だと自分で独占できるのだ。私はひたすら柿をむいた。そして干した竿の両端に「ヤスオ」と大きく名前を書いていた。そのせいかどうかはしらないが、私は兄弟のなかで一番背がでかくなった。単に食い意地はっていただけかもしれないが・・・

 

皮のむき方にも流派があるらしい。私は柿の皮をすべてむく。しかし、ここ大分では少し違っていて、先端の皮を少しだけ残してむくらしい。そうすると、形がきれいになるばかりでなく、甘みも増すと伝えられている。ところがである。先日友人のいる熊本・水俣に行った時、長老の一人に意見を聞くと、「皮は少しでも残してはいけない」「皮を残すと周囲がへこみ、時にカビが生えたりする」と厳しく戒められた。柿の皮ひとつで殺傷ざたにもなりかねない。”郷に入ったら郷に従え”である。私は大分流の首の皮ひとつ残すやり方でやった。まあ、どっちでもいいような話ではある。

 

 念のため言っておくが、竿に名前は書いていない。なぜなら妻はほとんど干し柿を食べないからだ。「好きなだけどうぞ」と言われている。なんだか少しあじけない。

 

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