今年も寒い。だが、我が家には薪ストーブという強力な助っ人がいる。薪ストーブのまたの名を「暖炉」。”ペチカ”とロシア式に呼ぶ人もいる。しかし、正しく言うと、自宅にあるストーブは「暖炉」や「ペチカ」ではない。あのサンタクロースが通るような四角い煙突ではなく、どっしりとした鋳物でできた「薪ストーブ」である。
ストーブのいいところは、なんといっても、その炎を見ただけで暖かく感じられることである。そして、ゆっくり揺れる炎のように気持ちもおだやかにしてくれる。ストーブの本体が温まるまで30分以上かかるが、温まった後は、なかなか冷えなく、寝る時も夜半まで部屋を暖かくしてくれる。
焚きつけに使うのは、杉っ葉に限る。そして上に古竹を置き、小枝を周りに並べればマッチ一本で火が着く。後は30分に一本くらい薪を入れていけばいいだけだ。薪作りはたいへんだが、豊かな時間を作ってくれる薪ストーブは、今や家族の一員である。