道作り

田舎ではちょっとした道は自分達でつくる。そしてその管理も、多くはそこで暮らす者が自ら行う。

 

”道”の種類のひとつに「農道」と「組合道」と呼ばれているものがある。例えば私の自宅までは、幹線道路である「国道」から集落の中心を走る「市道」に入り、そして「組合道」を通って自宅に到着する。また、田んぼに行くには自宅前の「組合道」から、田んぼにつながる「農道」に入って行くことになるのである。

 

ここで言う”組合”とは自治会の最小単位の集落であり、隣保班と呼ばれたりもする。ちなみに自治会は”区”と呼ばれ、その責任者は区長である。したがって組合の責任者は”組長”となる。

 

本題の自分達で作る道の話に戻る。私は昨年に続いて道作りの作業をすることになった。道を造る手順はこうだ。①俗にユンボ呼ばれている小型のパワーショベルで土を削ったり、盛ったりしながら道の大枠をつくる。②スコップやクワで地面を馴らしながら幅2mで木枠を杭で固定し、コンクリの型枠を作っていく。

 

そして③コンクリ打ちとなる。コンクリはミキサー車で業者から練ったものを買い、型枠に厚さ10cmを目安に流し込んでいく。この時にコンクリをスコップやクワで動かすのがけっこう力が必要できついのだ。さらにコテを使って表面を撫で、平らにならすことになる。

 

一番ウデを必要とすのが④コテの作業であり、ここは左官の経験者が担当する。私はこの作業が2年目となり、コテ作業を少しやらせてもらった。やってみると、かなり力がいる。そして平らに均すには手先の感覚が必要であり、難易度が高い。

 

「どうすればコテ作業をうまくできますか?」と元左官職人に聞いてみた。すると、手先でちょこちょこやってはだめだ。大きく動かし、そして優しくなでろ、と言う。最大のポイントは「○○○の肌を撫でるようにやさしく」、「○○○を相手するのと同じだよ」だそうだ。

 

???・・・実務経験?の浅い私にはなんだかよくわからないが、とにかくやってみよう。

 

最後は仕上げに、⑤隅を平らに馴らすコテを当て、そして⑥表面にホウキを軽く当て、滑り止めとなるギザギザをつけて終わりとなる。

 

ところで、コンクリを流し込む時に、5Mほどの間隔で、木枠を間に挟み込んでいく工程がある。これは”縁切り”と呼ばれ、れっきとした土木用語であり、コンクリが暑さ寒さ伸縮する時に割れにくくするためのものだ。確かにそういう目線で見ると、コンクリで作られた道路には、必ず縁切りが入っている。

 

またひとつ知恵がついたかな。百の知識と技術が必要である”百姓”と呼ばれるものに、さらに一歩近づいたような気がする。

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