五葉松の危機!

庭先の五葉松の異変に気が付いたのは妻だった。「松の木だけど、何か枯葉が多いよ」 妻に言われたものの、私は田んぼのヒエ取りが忙しく、手が着いたのはそれから3日ほど経った朝だった。

 

「ん?」なんだこりゃ、葉っぱの固まりが丸ごと枯れて枝だけとなっているものが何か所かある。これは変だ、と庭先にある4本の五葉松を順に見て回った。2~3割ほど枯葉に浸食されたものが2本。薄くなっ頭の毛のようにてっぺんがまばらになっているものが1本。そして特に変化はないのが1本あった。

 

ちょうどその時、近所のSさんが隣の家を訪ねて通りかかった。「なんしよるな?」なんか変なんですよ?「あ~松が枯れちょる」「そりゃ毛虫じゃ」という。どんな虫なんですか?「青虫じゃ」「うちもやられた」と言いながら、松の木に手を入れて何やら探し始めた。「ほら、この青虫じゃ」と2cm程度のミミズみたいなものを手でつまんで見せてくれた。

 

なるほど、こいつが犯人か。なるほど、そういう目で見るといるいる、いっぱいいる。私は麦わら帽をかぶり、本格的に青虫を取りに取り掛かった。

 

かれこれ30分ほど経ってからふと思った。待てよ、青虫が天から降ってくるわけじゃない。青虫の”元”がいるはずだ。そうだ卵かな何かいるはずだ。なんとかは、”元から立たなきゃダメ”と言うし。

 

目を凝らすと、葉っぱの根元に何やら米粒大の細長い固まりがたくさんある。私は摘まんでみた。ぷちゅ、と半生で何やら入っているようだ。私はついに発見したのだ。こ、こいつが大元の真犯人だ。

 

たぶん、蛾みたいなものが産み付けた卵(さなぎ?)なのだろう。作戦変更である。青虫と一緒に卵みたいなものも一緒にむしりはじめた。

 

昼食後休んでいると、近所のNさんがトマトを持って訪ねて来た。「そうな、うちもいっぱいおって、消毒してもろうた」と。けっこう流行っているようである。私は薬に頼ることなく、ひたすら人力での退治を続けた。結局なんだかんだで丸二日かかってしまった。

 

明らかな異変であった。もっと早く気付くべきだった。松の葉は再生しにくいのだ。私はひたすら悔やんだ。”人は見たいものしか見えない”とも言う。そういう目で見ないと見えないのだ。またひとつ勉強になった。ていうか、また失敗してしまった。

 

何でも自分でやるのが田舎暮らしである、と思っていた。しかし、それにしても知らないことが多すぎる。田舎には勉強するネタが無限にあるのだ。

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