我が家の周りを”野生の王国”のようだ、と妻は言う。たしかに、サイやゾウこそいないが、カエルやヘビ、トカゲなど爬虫類は日常的になものだ。また、田や畑で悪さをするイノシシを1匹、アナグマにいたっては既に3匹もワナで捕えることができた。さらに、自宅から鹿のの鳴き声も聞こえ、少し離れたところでは猿の目撃情報すらある。
そんな”野生の王国”の名に恥じない動物が出没した。9月最後の日の夕方、自宅の裏にあるカボス畑をビーバー(草刈機)で草刈りをやっていたら、刃先が何やらコツンと石のような物に当たった。なんだろう?とエンジンを止めてみると、黒い物が動くではないか。そして表面に亀の甲のような模様がある。
???確かここは大分の山里であって、南米の海に浮かぶガラパゴスではない。頭の中を整理するのに少し時間がかかった。約3秒後、ようやくたどりいた結論が「カメではないか」というものであった。
しばらく見ていると頭と手足?が四つ、それぞれの出口からおもむろに出てくるではないか。「やっぱりカメだ」、なぜこんなところに?。畑に住むカメなんか聞いたことはない。カメは海や池など、水と切っても切れない関係があるはずだ。
私はバケツにそのカメを入れ、近くのKさんに見てもらいに行った。「フツーのカメだよ」「そこの川辺で時々見かける」と言う。結論としては、本来、下の大きな川にいるカメが、我が家の前を通る水路の取り入れ口から紛れ込み、我が家の前まで流れついたのではないか、ということになった。
そういえば8月には、私の田んぼに大きな魚が流れ着いたことがあった。人に寄れば※アユではないか、ということだった。
我が家の周りには様々な生き物がいる。アユやカメが川にいればなにも不思議なことではない。しかし、アユが田んぼに、カメがカボス畑にいるからおかしい、と言っているのだ。
※当初”ヤマメ”としましたが、釣り人(渓流釣り名人)である熊本・水俣の友人より
「アユです」との連絡をいただきました。ありがとうございます。