”野生の王国”その瞬間

様々な生き物が住む田舎で日々過ごしていると、その生き物たちの、その瞬間に出くわすことがある。ヘビの脱皮(抜け殻)は子供のころからよく見かけたが、この夏に珍しい脱皮に遭遇しことを思い出した。

 

田んぼには様々な虫がいる。稲の葉や穂を食べようとする、人様にとって悪い虫(草食系)がいれば、それを捕食しようとするカエル、蜘蛛そしてバッタなどの良い虫達(肉食系)もまた多くいる。

 

6月に田植をしてから、毎日田んぼを見て回るが、この夏のある日バッタの脱皮の、その瞬間に出くわした。緑のカマキリと、薄い茶色のカマキリが上下につながっていたのだ。上にいた茶色のカマキリは抜け殻だったのだが、下の本物のカマキリの力が弱いのか抜け切れないようにも見えた。私は手を貸してやろうかとも思ったが”余計なお世話”と言われそうだったので、ガンバレと!励ますだけにした。

 

何かの本で読んだが、自然界は力のある者生き延び、そうでないものは淘汰される運命にある。そうやってカマキリという種がつながっていくのだから。

 

そんなある日、今度はなんと玄関そばの壁に、セミが脱皮しようとしていたのだ。セミは死んでいるのか止まったまま動こうとしない。かといって、玄関先で行き倒れてもらっても、人目もあるし、ちょいと困る。

 

私は意を決して手助けすることにした。張り付いた壁からそおっと剥がし、地べたに置いた。そして殻を少しずつ剥がしていった。そうしたらバタバタとセミが動き出したのだ。セミは生きていたのだ。

 

殻が固すぎたのか、それともセミの力が足りなかったのか、よくわからないがセミは動き出したのだ。それから先はセミ次第。庭先の木の下にバタバタしているセミを置いていたら、しばらくしてみたらいなくなっていた。セミは無事旅立ったようだ。

 

農業をやっていると毎日のように殺生していることになる。なにかの罪滅ぼしにでもなっただろうか。


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