竹は真っ直ぐ天に向かって育つもの、と相場は決まっている。しかし障害があれば、それに柔軟に対応しなければならない。時に逆境に向かって闘うこともも求められる。草木も人も成長するとはそういうものであろう。
稲刈りを控え、天日干しするための竹を伐採し準備していたところ、めずらしい形をした竹に出会うことができた。なんと、竹が途中で大きくU字で曲り、天に向かうことをやめ、下に向かっていたのである。ちょっと曲がっているのではない。見事に180度曲がっているのであった。
よほど嫌なことでもあったのだろうかと、同情しながら詳しく調べてみた。すると、風か何かで竹が途中で折れたものの、部分的につながっていたため、枯れることなくそのまま先端が成長したものだった。
考えてみれば、めったに見られない貴重な竹ではないか。私は家宝にすべくこの竹に名前をつけることにした。
「下向き竹」「あきらめ竹」「ひねた竹」「挫折竹」「屈折竹」・・・ん~あまり前向きな名前ではないな