最強のもち米「香り米」

私が作ったもち米「香り米」で焚いたオコワがお客さんに好評である。もち米固有の粘りは当然として、ほんのり香り、甘く味もよい。私の知る限り最強のもち米だと思う。


近所で長く米作りをやっている人に聞いても「昔からあるのう」と言う。モミの色が黒く、おそらく品種改良がされていない、昔ながらのもち米であると思われる。

 

ただし、このもち米「香り米」は栽培に難がある。背丈が非常に高くなるのだ。昨年、最初に作った時は私の背丈と並ぶまでになってしまった。ここまで背が伸びれば当然のころだが、穂が実り成長すると倒伏してしまう。ほぼ全面が倒伏してしまったのだ。

 

稲が倒伏すると、とてもやっかいである。陽が当たらなくばかりでなく、雨が降ると地面に着いた穂から芽が出てしまうのだ。いうまでもなく芽が出た米(モミ)はアウトだ。昨年、倒伏した稲をひとつづつ起こし、ロープを張りめぐらせ、穂先を地面から浮かせる作業を延々とやるはめになったのだ。

 

今年もこのもち米「香り米」を作ったが、同じ轍を踏むわけにはいかない。稲の成長は①日当たり②水やり、そして③に肥料(特に窒素成分)で決まる。①太陽は人間様には制御できない。したがって今年は水の管理を徹底した。夏場の中干しを2週間近くやった。肥料も極力抑えた。

 

いうまでもなく、倒伏を防ぐため稲の生長を抑制すれば、米の収量が減る。いたし返しなのである。ほどよい加減というのがとても難しい。

 

私は元来保守的な人間なのかもしれない。若い時こそ仕事をはじめそれいけドンドン、思ったことはやってみろ、だった。20代のころ何を思ったのか、東京から九州佐賀県の実家まで自転車で帰省?したこともある。距離にして1、200Km、ちょうど1週間かかった。実家に着いたとき母から「汽車賃もっとらやったか?(持っていなかったのか)」と言われたことを思い出す。すこし違うんですけど・・・

 

ここ大分に来て本来の性格が出たのか、それとも単に年のせいか。私は極めつけの稲の倒伏対策をとったのだ。転ばぬ先の杖、危なさそうな場所に事前に竹とロープを張り、倒伏に備えたのだ。さあ倒れてみろ。

結果はどうなったか。今年は雨が多かったせいもあり、ご近所の餅米が軒並み倒伏するなか、私の餅米は最小限の倒伏ですみ、多くはしっかり起立したままだった。

 

しかし、めでたし、めでたし・・・とはあいならなかった。もち米「香り米」を精米して驚いた。餅米は精米すると真っ白になるもの、と相場が決まっている。ところが私の米はまばらなのである。白くなることを専門用語で「はじく」という。はじいていないのである。ん~・・・どうしたんだろう。出来損ないなのか?私は早速米作りの師匠Tさんに聞いてみた。「乾燥が足りんのじゃないか」。

 

水分計で測ってみると、だいたい15~15.5%弱程度である。ふつーの米(うるち米)では問題ない。私はインターネットで詳しく調べてみた。すると、うるち米より水分を減らさないとはじかない、とされていた。私は追加で”むしろ干し”(正確にはブルーシート干し)を行い水分を14%に近づけた。そして精米すると真っ白になった。はじいたのである。

 

まとめてみよう。米は長期保存と味覚のため水分を15%程度に乾燥する必要がある。これはうるち米も餅米も同じである。しかし餅米の場合、業界の慣例で白くなっている必要がある。そのためには乾燥を14%代まで下げる必要があるのだ。

 

なぜ白くする必要があるのかといえば、餅米はうるち米に対して高価なので、餅米にうるち米を混ぜる輩がいたらしく、そういったことを防ぐために真っ白にするようになったらしいのである。たしかに私の場合、最初にまだらな米になったものを見ると混じり米のようにも見えた。

 

商品として販売するとなると、中身がよければそれでよし、とはならない。みてくれもまた付加価値のひとつなのであろう。残念なことではあるが。

 

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