難所、トンネル補修工事

我が家の前を流れる水路(緒方井路)は、緒方川の原尻の滝付近で取水し、ここ野尻地区はほぼ山の中を通ってちんだの滝付近で元の緒方川に戻る。井路は自然に出来た川ではなく、二百数十年前に人の手で作られたものである。水路の多くは火山性の岩石(数万年前の阿蘇山火砕流の跡)を素掘りしたものだ。

 

この水路で最大の難所となっているトンネルがある。トンネルのが狭く中ほどでS字に曲がっていこともあり、ゴミがよく詰まりるのである。昨年は水路から水があふれ、路肩が決壊しそうになった。場所が山の中であるため一度決壊すると修復は容易でない。

 

ということで、この連休中にトンネルの補修工事をすることになった。積もった泥砂を出し、トンネルの内壁の凸凹を均す作業をするのだ。山の中腹にあるため、資材を上げるだけで一苦労である。途中まではパッカーで運べるが、途中から山道を人力で運ぶことになる。セメントや砂だけでなく、内壁を削る(はつる)為のエンジン発電機まで持ち上げる必要があるのだ。

 

年令的には最若手となる私がひるむわけにはいかない。ひたすら人馬のごとく荷役作業となった。資材を持ち上げた後は頭上にヘッドライトを点灯してトンネルの中の作業である。

 

このトンネルは全長が25mほどで途中で、中ほどでS字に曲がっているため、入り口からサーチライトで照らしても見通すことはできない。おまけに幅が1mほど、高さが狭いところで1mちょっとしかない

ため中腰での作業となる。

 

トンネル中には、あのエイリアンもどきの虫”ゲジゲジ”もいる。トンネルを3m程入ると携帯も”圏外”と表示となった。その日は人手があったのでよかったが、何かあった時は助けも呼べないところである。

 

最若手となる私が、ここでもひるむわけにはいかないのである。さすがに私は”はつり機”までは使えない。先輩がダッダッダッと、音を出して削った岩石の運び出しをやったり、凹んだ部分のコンクリ塗りなどをするこになった。頭のライトだけが頼りの正に坑道の工夫にあいなったのである。

 

内壁の場所によってはコンクリ(モルタル)の付きがよくない場所もある。コテで出来ないところもある。そんな所は、握り飯大のモルタルを手で握り、窪みに勢いをつけて投げ込むのである。そして、その個所はコテで撫でてはいけないという。コテで撫でると水が出てきて柔らかくなり、逆にはげやすくなるからだ。

 

「このやり方は”投げ込み工法”とでも呼ぶのですか?」と先輩に聞くと、「何て呼ぶかわ知らんが、昔からこうしちょる」と言う。この先輩はユンボの操作だけでなく様々な土木機械の操作もできる、スーパー百姓である。はつり作業まで農業につながっているとは思いもよらなかった。

トンネルの入り口

トンネルの中ほど


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