アマガエルは雨が降りだすと鳴き出すので漢字で”雨蛙”と書くらしい。たしかにそうだ、我が家の周りに住んでいる蛙達が一斉に泣き出したな、と思って外を見ると雨が降り出していることが多い。自然界の雨センサー「アメダス」である。

できれば、雨が降る少し前に「そろそろ降りますよ」と鳴いてくれれば、洗濯物を取り込むことができるので役にたつと思うのだが。夕方ころ雨も降っていないのやたら鳴いていることもあり、”カエルセンサー”の精度は高くないようだ。

ところで、今年も我が家の白いポストの上にアマガエルが居つくようになった。なぜポストの上がいいのだろうか、不思議に思っていると、ある人が「エサがあるのでは」と。

よくよく見てみると、ポストの上の屋根裏に夜間の街灯をつけている。そうか、夜明かりがあれば虫が寄ってくる。その虫はカエルのエサである。

ある日の夕方、なにげにポストの上のカエルを見ていたら、小さな蜘蛛のようなものがカエルに近づいていた。メガネをとってじーっと眺めていたら、カエルの舌がぺろっと飛び出し「パクリ」。決定的な瞬間を目撃してしまった。なるほど、ただじーっといるだけではない。

「カエルのような生活も悪くはないな」「ただ、一日じーっと座って目の前にエサが来るのを待っている」と妻に言うと、「あなたもそうじゃない」「テーブルに座ればご飯が出くるでしょ」・・・たしかに言われてみれば・・・妻からみれば、私もカエルと同じようなものらしい。

食べたものは出さねばならない。私は重大な発見をした。以前からポストの上が汚れるので、なぜかなと思っていたら、立派な砲弾型のものがあったのだ。これは、カエルのウンチに違いない、と確信した。

そう思って、アヤメの花の中にカエルが居ついていたので、そこもじっくり見てみたら、やはりここにも砲弾型のものが。

カエルも人も、食べるために生きている。ただ、人間様はちょっと脳が大きくなりすぎたせいで、生きがいとか、めんどくさいことを言うようになっただけだ。生き物の姿に大きな差はないようだ。