電気柵

今年も雨が多く稲の生長が遅い。例年お盆過ぎには花が咲き出てくるはずの穂が、今年は8月の下旬、モチ米に至っては9月になってからとなった。1週間から10日程度は遅い感じである。

 

稲の穂が出始めるとイノシシの季節でもある。猪は稲の大敵、私達農家にとって”親の仇”でもある。3年前に私の田んぼ2枚に次々と猪に入られてしまった。猪は田んぼに入ると中ほどで円形に稲を倒していく。あのUFOの象徴でもある”ミステリーサークル”ができるのだ。

 

それ以来近所の人と共同で電気柵を張っている。電機柵の電源は乾電池8本(DC12V)であるが、数千ボルトに昇圧しているので触るとけっこう痛い。しかし理屈は静電気と同じで電流はわずかしか流れなく、ピッ、ピッと周期的に流すので、人体にも肝心の猪にもであるが直接怪我をさせたり命にかかわるものではない。

 

ビリットときて驚かせ、猪を近寄らないようにさせるものである。彼らも学習能力があり、この柵を見ただけで近寄らなくなる、という仕掛けである。したがって、場所によってはこのような電気柵の装置を使わず、単に紐だけ張り巡らせている人もいる。いわゆる”人のフンドシ”であるが、それなりに効果があるようだ。つまるところそれだけ猪が利口だとも言えるのだろう。

 

ところで7月だったか静岡で起きた電気柵での人身事故は驚きであった。なぜ人が死ぬくらいの電気柵が

あったのか。私は電気にはちとうるさい。いろいろ調べてみると、獣害対策としての”電気柵”とは、とても呼べるような装置ではなかったようだ。

 

な、なんと家庭電源(AC100V)から自作の変圧器で400Ⅴ以上に昇圧し、そのままこれを張り巡らせていたようである。わかりやすく言えば電柱間を渡っている裸電線(AC600v程度)をそのまま地上に張ったようなものである。問題は流れる電流の大きさであり、その時間である。この電源ではブレーカ(一定の電流が流れると遮断する装置)とかなく、触れれば流れっぱなしになっていたようである。こんなものに人が触れれば怪我をし、死にいたるも当然である。

 

報道では漏電遮断器が必要だった、とか言われていたが、それは家庭用電源から所定の電気柵電源装置(DC12Ⅴ程度に変換)を使った場合の装置内の漏電(絶縁損傷)に有効なもので、今回の事故で使われた自作の変圧器では、こんなものは役にたたないはずだ。

 

市販されている電気柵はよくできている。仕様通りに使えばであるが・・・

 

電気を学んでいるころ、電気の現場で仕事をしていた人の話を聞いたことがある。100Ⅴでも油断するな。触る時は?右手の肘を曲げ、手の甲で触れろ!心臓に近い左手はだめ。手の平(内側)で触れると、反射的につかんでしまい、離れなくなる。肘が曲がっていると電気が抜けてくれ致命傷にならない、とかけっこうリアルな経験談(失敗談)を聞いたものである。

 

電気は明かりになり、動力になる。そして熱を出したり冷やしたりと、とても便利で優れたエレルギーである。また、TVやパソコンと電気無しでは現代文明はもちろん、田舎暮らしもとうてい成り立たない。だからこそ、電気はもっと丁寧に扱いたい。

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