掘っ建て小屋ができた(その2)

正四角形であるための条件とは?中学の数学の時間ではないが、まさにこの基礎数学の真価が問われる事態であった。紙の上では簡単である。四隅が直角90度であればいいだけだ。だがしかし、現場で角度は測れない。手持ちの測定器はもっぱらメジャーで、あとは100均で買った水準器と、重しを糸に垂らして垂直度合を見るだけである。

 

縦柱を垂直に立てる。そして横柱を水平にする。このふたつに全神経(数少なくなった?)を費やしていたのである。少々のズレは現物合わせでなんとかなるだろう、とあまりに軽く考えていた。そして、こともあろうに最初に手前のふたつの穴を明けた後、それぞれの辺の寸法はしっかり測ったものの、「だいたいこれで四角形かな」と目測でやっていたのである。

 

角度を使わないで正四角形を作るには、対角の寸法が同じであること。これしか方法がないのである。しかも計算してみると、許される精度は1㎝くらい。・・・これが、なんと25㎝もズレていたのである。

 

奈落の底に追い落とされたものの、立ち直りは早かった。翌日には手前の3本の柱を除いた残り6本をすべて掘り起した。辛い、後戻り作業ほど辛いものはない。サラリーマンの時痛いほど味わった記憶がよみがえってきた。柱の周りに詰め固めた石を一つひとつ外に出さないといけないのだ。ここが我慢のしどころ。地道に作業し、二日かかってようやく6本の柱すべてを掘り起こすことができた。

 

まずは紙の上で対角を含めた計算をやり直し、設計図を作り直した。そいて、現場で一つひとつ一から計測しながらの柱を立て直していったのである。

 

難題は次々と現れた。

・垂木の数は十分か、屋根の重さは耐えられるか?・・・垂木を倍に増やす

・水平具合を見る糸ヒモがすぐにゆるんでしまう?・・・草刈り機のナイロンカッターのヒモで代用

・横柱が真っすぐでない、どのように補正するか?・・・互いを削るしかない

・垂木を付けた後、横柱のカスガイが外れて浮いた・・・・ロープで無理やりしばり再びカスガイを

・ほぞ穴を削り過ぎた?・・・別の場所にやり直す。

・電動ドライバーが滑って爪を強打! 痛え~・・・我慢あるのみ

 

そして最後の難関が長手側のトタンを打ち付ける時、トタンの上で足が滑って作業ができない事態になってしまったのである。(つづく)

垂木の水平をとるナイロン紐

曲がりをロープで強制

爪の根元に残る打痕あざ


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