6年目の田植え

「田植えは済んだなぁ~」の声が飛び交う季節となった。いや、”飛び交う”ほどの人はいなのが現実だが、とりあえず何人かのじいさん、ばあさんと交わした言葉である。「はい、何とか植えられました」

 

米農家にとって田植えが済んで”前半終了”となる。今年は天候不良で、なかなか大変な田植えとなった。

5月の連休が過ぎ、予定通り種子選別から苗づくりを始めたのだが、北朝鮮情勢と関係あるのかないのか、TVニュースに気持ちが浮ついてか、天候までがおかしくなった。雨が降らない、そして夜が冷え込むのである。

 

稲のみならず、元来植物というものは水がないとはじまらない。さらに暖かくないとすくすくとは育たないのである。雨水がなくても我が家の前の用水路(緒方井路)の水が枯れることはなかったのだが、それでも毎日の水くみ水やりはたいへんな作業である。そして、昼間は25度を超えることも少なくなかったが、夜明けころは14度くらいまで冷え込んだ。人が寝るにはいいが、植物にとっては少々つらい。

 

ベテラン農家も苦労していた。「苗が太らん(大きくならない)のう」。私なんぞたかだか6年目にすぎない。米作りは一年に一度しかできない仕事である。米作り6年目ということは5回の経験しかない、ということでもある。しかも相手は自然界、お天道様の機嫌も毎年変わる。条件が様々に変化する中での5回の経験にすぎないのである。工業製品を相手にしていたころの5年の経験とまったく感覚が異なる。

 

6月になって田んぼの代掻きをやるころ、ひともめ起きた。用水路の水が減り地区の下流域まで水が行きわたらなくなったのである。私のいる野尻地区は緒方井路の最下流である。それでも私はその野尻地区の上流、つまり”下の上”になるため、なんとか水を引けたのであるが・・・

すわ”水争い”発生か?とは少々大げさだが、水が引けないと何も始まらないのこの世界。時が時ならクワ鎌持ち出して?

 

とかなんとか言い訳しながらも田植えとなった。苗の大きさからすると、もう3~4日後がいいいかな~、とは思えども、私は共同機械の世話役でもある。自前で整備した田植機も、圃場の中で実際に動かしてみないと本調子がどうかわからない。役柄、機械の試運転を兼ての田植となったのである。

 

田植えが終わりころになり、さらに問題勃発。苗が足りなくなってきたのである。工場のエンジニアのころの合言葉はジャストインタイム生産。物量も時間もちょうど間に合うこと、これがムダのない効率的な生産ということで、作った苗も、2品種で余裕はそれぞれ1~2箱程度の計算である。「おかしい」育った苗の状態からしして、足りるはずなのだが・・・

 

田植機の設定を途中で変え、一回で掴む苗の量を減らすことにした。少なく設定すれば欠株のリスクが増えるが致し方ない。後で調べた結果”玉切れ”の原因がわかった。田植機を自前で整備した時、設定位置を中央にしたが、実は昨年まで、つまり例年の設定位置がひと目盛り少なかったのである。なんとかかんとか最終地点まで田植機を走らせることができた。

 

ここで、6回目の経験を元に、田植えに影響を与える条件を整理してみたい。

 A、田んぼの状態

   (1)代掻き後の土のレベルが水平であること・・・水を入れて目立った島が出ないこと

   (2)土が適度に柔らかく、切りワラが少ないこと・・・代掻き後概ね中3日程度経過

   (3)水は土がしっかり見える程度のひたひたであること

 B、苗の状態h

   (1)苗の高さが15㎝程度で揃っていること

   (2)苗の密度が均一でムラがないこと・・・種籾が1.5合程度/箱がなえの基本

   (3)根がしっかり張り、葉の色が薄緑

 Ⅽ、田植機の状態

   (1)爪先状態

   (2)苗の送り機構

   (3)土の均し、押さえ機構

 Ⅾ、運転手

   (1)圃場や、苗の状態に合わせて田植機を最適な状態に設定

   (2)圃場の形状に合わせたコース取り

   (3)真っすぐ運転、折返しや畦際クラッチ等の小技操作術

 

昨年迄と比べて自己評価してみる。

 A:75→70%  ワラ切りの時期が遅れ、代掻きに苦労  

 B:70→75%  モチはまずまずの出来、ヒノヒカリは背丈が低かった。全体的に揃ってきた

 Ⅽ:80→80%   爪先に苗詰まりが一度発生したのみで良好 

 Ⅾ:60→55%   苗の量の設定ミス。相変わらずジグザグ運転

 

            合計=70点くらいかな・・・なかなか成長しない


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