9月になり緒方の田んぼも少しずつ黄色くなってきた。ところが緒方の田んぼが大変なことになっている。国道沿いの平地を中心に稲の大敵、ウンカが大発生しているのだ。さらにはジャンボタニシの食害も広がってる。
ウンカは中国大陸からやってくるという。だから九州がまず狙われるのだろう。またウンカは俗に”坪枯れ”とも言われる。一坪=3.3㎡程度がまとまって枯れ、それが飛び地のようにして広がっていくからだ。勿論ひどくなると、坪枯れでなく”全面枯れ”となるのは言うまでもない。現にその全面枯れとも言うべき田んぼも目にするようになった。米を作り始めて8年目、ここまでひどい田んぼを見るのは初めてである。
緒方平野の田んぼをひと通り見て歩いてみると、ウンカの食害にはひとつの特徴がある。私の田んぼのような棚田ではほとんど見られなく、国道沿いの平地部で目につく。そしてぽつんと一枚ではなく、複数の田が連属してやられている。
よく考えてみるとこのあたりは風の通り道でもあるようだ。西の阿蘇山や、北西の久住山から吹き降ろし、竹田市を通って緒方平野にやってくる風である。おそらくこの風に乗ってウンカがやってくるのだろう。そして、虫は一般に、風のよどむ(風通しの悪い)田んぼに付きやすくもなる。つまりは高い畦が壁になっていたり、稗の多発などで風通しを悪くしている場合である。
ウンカは穂が付いた稲の茎から”汁”を吸い、その結果吸われた稲は枯れる。十分に実った稲であれば、その時点で刈り取れば実害は少ないのだが、たいていのウンカは、まさに穂が付き、ぐんぐんとその実が大きく、固くなろうとする時にやってくる。ウンカの気持ちになればよくわかる。一番美味しい時に食べるのが人情(虫情)というものだ。
したがって、穂が付く時期とウンカがやってくる時期がピタリあった田んぼがやられることになる。つまり田植えをした時期の差により運不運が分かれるのだ。農家の努力と言えば、あとは防除くらいしかなくなる。
無農薬を頑なに守る私は防除(農薬)は禁句である。ひたすら毎日田んぼを見回り「くるな、くるな」「ウンカよ来るな」と叫ぶ=”祈る”毎日である。祈りが効いているのか?幸い私の田んぼにウンカは来ていないようだ。
ところどころ”坪枯れ”状態の田
手前側がジャンボタニシの食害に
五体満足な私の田んぼ
ウンカ大発生でほぼ全滅の田
ジャンボタニシ大発生でほぼ全滅の田
ウンカという稲の害虫