ミシンの修理

昨年の春先のことである。妻がミシンを使いたいとのことで、何十年かぶりに押し入れからミシンを出した。恐る恐るプラグをコンセントに差し込むとランプは手元を照らし点灯した。そしてフットSWを静かに押すと「ブーン」とモーターが回る音はすれど、ミシン針のヘッドの上下動はしない。今度はヘッドを手で上下動させながらさらにフットSWを強く推すと「ウーン」とうなり出した。

 

「ダメだこりゃ」ベルトが切れているか、はたまた駆動系が固まっているか、の何れかだろう。サラリーマンで工場にいたころ先輩によく言われた。「メカ(機械)ものは油だよ」。先輩曰く、メカの動きは潤滑油が命でありまずはここを点検せよ、ということである。

 

新品のミシンでも買おうか、とも考えたが、ダメ元でばらしてみることにした。裏蓋を開けてみると、素底にモーターがひとつあり、ここにかけられたベルトから先は全てがメカ。なんとミシン目の模様を刻む装置(ジグザク模様)もすべてが複雑な部品の動きで作られているのだ。

 

ベルトはしっかりしている、切れていない。ということで、ベルトから先の機構を手で動かしてみると、なんとか動く、しかしやたら固い。よくよく見ると部品と部品の繋ぎの部分の油(グリス)が固まっているのがわかる。これだな、潤滑油が固まって動かなくなっているのである。こんな状態にさらに注油しても意味はない。こんな時のセオリーは固まった油を落とし、きれいにすること。そうしてか再度新しい油をさしてやる必要がある。さて、どうやって固まった油を落とすか?

 

ホームセンターに行けば専用の溶剤があるだろうが・・・。少し考えてみた。原理的にいえば揮発性の高い油で固まった油を溶かすこと。つまり油で油を落とす。ふとその時、自転車のチェーンの汚れを落とす時にガソリンを使ったことを思い出した。草刈りで使うガソリンが手元にあるので、これを使ってミシンの固まった油を落とすことにした。複雑な機構で部品も小さいのでウエス(ぼろ布)を使えない。そこで代用として綿棒を使うことにした。

 

綿棒にガソリンにつけ少しづつ拭いていく、汚れてきたら新しいものに代え、地道に少しづつ拭いていった。ある程度拭いたところで電源を入れると、ゆっくりと動きだした。が、動きがぎこちない。・・・・

なんだかんだで半日ほど繰り返すと動きがスムーズになってきた。

 

妻がミシンに糸を通し布を当て動かした。「ばっちりよ」ようやく妻のお許しがでた。金は無いが暇はある。少しだけ頭を使い根気があれば大抵のものはできる。それが定年後田舎暮らしのだいご味だろう。

三十数年前に新宿で買ったシンガーミシン

外観的には問題無し

ベルトはOK、シャフトに錆はない。上部中央の「ジグザク模様」の選択はストーレートに固定し

この部分は複雑過ぎて諦めた。


左側の底に大きなモータがひとつ。それ以外のすべてがシャフトやカムの組み合わせのメカだけで

できている。昔のメカエンジニアはすごい!

 

固まった油を、ガソリンを浸した綿棒で少しづつ

きれいにしていく。ひたすら地道な作業。


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