2020年1月にコロナ騒動が始まり、早2年近くたとうとしている。私が住むこの大分の田舎でもこの騒動はなお続いており、様々なところで耳にする話でおかしなものが非常に多い。この手の感染症に対する基本的な理解が無いのである。私自身、医学の分野は門外漢であり専門家でもなんでもなく、現在は農業分野で生計を立てている者であるが、電機関連の工場エンジニアとして長く科学技術の分野に携わったものとして、ものの考え方の道理はひと通り身に着けているつもりである。
「風邪には風邪薬があり」「インフルエンザにはワクチンもあれば特効薬のタミフルもある」「コロナにはワクチンも薬もなかった」。つまり、全く新種の恐ろしい病(感染症)が流行りはじめたというのが、大方の人の認識であった。今でこそ、mRNAという新しいタイプのワクチンができ、私自身既に2回接種済みであるが、今度は「ワクチン怖い」と接種を拒否する人が出てきて新たな騒動が起きている。
本当のところはどうなんだろうか?物事はすべからず相対的なものである。万事類似のものと比較して考えるべし。私なりに風邪、インフルエンザ、そしてコロナを比較しながらまとめてみたい。
1,「風邪薬」は本当に風邪の”クスリ”なのか?
風邪症候群(感冒)という病は正式には上気道の急性炎症のこと。つまり鼻や喉から侵入したウイルス
によってもたら鼻水、喉の痛み、発熱などの症状を指す。そして多くの人は病院で処方される風邪薬や
ドラックストアで市販されている総合感冒薬を服用して風邪を”治療”している。確かにこの風邪薬を飲
めば熱は下がり鼻水も喉の痛みを和らいできて治っているように感じる。しかしよくよく調べてみると
、この種の風邪薬は症状を緩和する効果はあっても、原因となっているウイルスをやっつけるものでは
ない。そしてこのウイルスそのものと戦っているのは、誰もが持っている「免疫」という人体の機能で
ある。クスリなんか無くても治る人は治るのであり、さらに免疫の強い人はそのウイルスの侵入を入り
口で退治(感染しない)しているのである。誰も持っている「免疫」こそが主役なのである。
実は鼻水や痰そして咳は侵入した異物=敵(ウイルス)を体外に出そうとし、また発熱はウイルスと戦
う手段であり、何れもひとつの免疫機能なのである。したがって、無理に解熱したり鼻水などを止める
行為は病の治癒には逆効果、という考え方もここから出てくる。何れにせよ風邪を治しているのクスリ
ではない。”風邪薬”はこの世に存在しないのである。主役である「免疫」という防御システムは極めて
複雑であり人により千差万別、数値で表すことは困難なのである。
一般に免疫は若い時ほど強く、また様々な環境にさらされた者ほど強くなるとされている。騒いでい
るコロナ(covit19)は老人ほど重症化し、若い者がピンピンしているの当然の理なのである。
2,インフルエンザは治る病?
風邪よりもうつり易く(感染力が強い)、また重症化し易い(毒性が強い)とされてるのがインフルエ
ンザと呼ばれるウイルスに感染するのがインフルエンザである。インフルエンザにはワクチンがあるが
果たしてどうか? インフルエンザワクチンの効果は実際のところいかほどのものなのか調べてみる
と、概ね50%程度とされているようだ。つまり、ワクチンを打っても半分はインフルエンザにかかる
のである。そして特効薬とされているタミフルの効果はというと、発病した初期に服用して、せいぜい
1~2日治癒が早くなる程度とされている。さらに大事なことは、ワクチンも薬も”存在する”と言われ
ながら、毎年冬場を中心に数百万人がり患し、数千人~1万人程度がインフルエンザで死亡しているの
である。実はインフルエンザで毎年多くの人が死んでいるというのを知らない人が意外に多い。風邪だ
ってこじらせて肺炎になれば死ぬことがあるのである。風邪は万病の元、と言われる所以である。
インフルエンザも風邪と同じように、最終的には「免疫」勝負なのである。
3,コロナはどう違うのか?
ここ迄の数値を見ると確かに欧米等でコロナで亡くなる人が多かった。一方我が国ではどうだったの
だろうか?感染者数も死亡者数も欧米の1/10以下である。さらに特筆すべきなのが、国によってそ
の定義が異なっているのである。
まずインフルエンザはというと、病院で熱が高いと簡易検査